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2008.10.02 青い空からやああてきた、じゅう、よんさいの、おとこのこ
スコルプさんは生まれたときから悪い人だったので、道端に落ちていたシロップを露天商から100円で買いました。
「しめしめ、自分の役にたつようこき使ってやるぞ」
シロップはそこにたくさんいたヒヨコと同じようにピンクのスプレーで塗られていました。
「薄汚いな、水で流すか」
季節はまだ2月でしたので、流水の冷たさにシロップはぶるぶると震えました。
あまりに小さいので、体に宿ったほのかな暖かさも流水に打ち消されてしまいそうです。
買った時から一言も話さないシロップに、スコルプさんはふあんになりました。
もしかして、言葉を話せないのかしら?なんて思ったそのときです。
「シロップさむいのきらい!おゆがいい!」
第一声からなんてわがままな鳥だろう、スコルプさんはそう思いましたが、
最初は甘くするのが人買いのやりかたなのだ、と思い、
「わかった」
そう言い、浴槽にそっと放してやりました。
途端にシロップはばたばたと小さな手足を動かしてあっぷあっぷしています。
変な泳ぎ方をする鳥だ、としばらくぼんやり眺めていたスコルプさんでしたが、
ぷくぷくとシロップの頭が湯に沈んでからようやく、シロップがおぼれていることに気づきました。
「うおぉ」
さっとずぶぬれのシロップを両手ですくってやります。
「馬鹿な鳥だなあ。何故助けを求めなかったんだ?」
シロップは口からぷーっと水を吐き出し、小さく答えました。
「お前の名前分からない、なんて呼べばいい?」
自己紹介だなんてばかばかしいとスコルプさんは思いましたが、えへんと咳払いをし、
仰々しく立派な名前を、高らかに名乗りました。
「わたしはスコルプ、スコルプだ」
途端にシロップは目を輝かせました。
「スコルプ!スコルプ!」
嬉しそうに名前を呼びます。
「なんでもないときは極力呼ばんでよろしい。それに呼び捨てはやめなさい。目上の人なのだから」
そのとき、何故かスコルプさんは、自分がひどくこっけいなことを言っている、と思いました。
スコルプさんは生まれたときからの悪い人だったので、そんなことを教えてくれる人は誰もいなかったからです。
シロップは黙ってじっと、スコルプさんの「教え」を、キラキラした大きな目を見つめていたかと思うと、突然叫びました。
「シロップ、スコルプさん好き!」
…その言葉は、ふわふわと暖かく、ゆっくりとスコルプさんの耳から入って、
目の脇を通って、のどを通り、
胃を通過して、
そしてようやくからだの真ん中にぽとりと落ちたとき、
初めてスコルプさんは『こころ』がどこにあるかを知ったのでした。


ぽにょ観たいよぉ。
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